看護師の休憩時間に関する法的規制と実態

看護師にとって、休憩時間の長さは非常に重要だ。
2交代制の場合、1回の勤務時間が16時間に及ぶこともある。このような長時間労働の場合、どれくらい休憩時間を取れるかは、看護師の大きな関心事だろう。
実際には、16時間労働であっても、1時間程度しか休憩できない現場もある。このように過酷な労働は、法律違反ではないかと疑念を抱く看護師もいる。
しかし、法律上労働者の休憩時間は、6時間を超え8時間以下の労働なら45分以上、8時間を超える労働なら60分以上の休憩時間を確保することが義務付けられているだけだ。16時間に及ぶ労働時間だからといって、1時間の休憩時間しか与えないのは、直ちに違法という訳ではない。

ただし、医療現場では、16時間労働のような長時間勤務には、可能な限り2時間から3時間の休憩時間を看護師に与えるよう要請されている。
2交代制の場合、深夜勤務の看護師に2時間程度の仮眠を認めている職場もあるが、入院病棟や救急外来があるほとんどの医療機関は、勤務形態に関わらず、夜勤担当の看護師に仮眠を認めていない。多忙な勤務で仮眠が取れないとしても、せめてゆっくり食事できるくらいの休憩時間は確保されることが望ましいだろう。

どうしても最低限の休憩時間を確保できない際は、時間外勤務手当を看護師に支給しなければならない。仮に休憩時間が与えられても、休憩時間中に電話対応などの業務を指示されたら、休憩時間ではなく勤務時間として計算される。
こうしたケースでも、法定の休憩時間に足りない分につき、時間外勤務手当を支給することが必要だ。